クリスマス

 

移ろう季節を感じながら

また今年も過ぎ去ろうとしている

嬉しいこと

苦しいこと

たくさんの感情が渦巻く一年であった

いつものことではあるのだが

 

嬉しさを糧にして生きる人もいれば

苦しみを乗り越え生きている人もいる

私は何故か嬉しいことよりも

苦しかったことのほうを無意識に思い出す

意識しないと

いい方の記憶はしまったままである

他の人はどうなのだろう

だから私は

私の大切な人にはそんなことがないように

いつも笑顔で楽しく過ごして欲しいと願う

私はもう子供ではないのだけれど

そっとサンタクロースに願いを込めて

 

 

 

二度目のプロポーズ

『二度目のプロポーズ』

 

あなたのいる世界に

わたしはいますか?

あなたの見る未来に

わたしはいますか?

 

出会っただけで奇跡的なのに

同じ世界に生きて

同じ未来を見る

それはとても難しいこと

不安になることもある

 

だけど

一緒に迎える子供の日

前が見えない霧が消え

現る光の道

 

僕のいる世界には

あなたがいて

僕の見る未来には

あなたがいる

 

これからも

一緒に歩んでくれますか?

 

無垢は正義なのか

『無垢は正義なのか』

 

いつからだろう

善意を疑うようになったのは

 

いつからだろう

悪意を人へ向けるようになったのは

 

あの日

生まれたばかりの僕にはなかった筈だ

 

いつからだろう

 

初めて感情というものが溢れた時

この世界が楽しいと思い

この世界が怖いと思った

そして

自己防衛のために

疑心や悪意を身につけた

無垢なまま生きるのは難しい

だけど

何も感情がないまま生きるのは

面白味がない

だから

悪いことばかりではない

 

疑心や悪意に

飲み込まれさえしなければ

 

 

変わりゆくもの

『変わりゆくもの』

 

季節は変わりゆくもの

色鮮やかな色彩から

何ものにも染まっていない

純白のドレスに着替える

 

人の心も変わりゆくもの

燃え上がるような愛から

業火に身を焼かれ

漆黒のドレスを纏う

 

同じ移ろいやすいもの

一方は美しさを

一方は残酷さを

そして

どちらも儚い

 

同じ変わりゆくもの

しかし

違う感情が

生まれるこの世界は

人というものは

とても面白い

だから

大好きだ

 

 

『リセット』

リセット

 

人生はやり直せる

誰かが誰かに言ってた

 

本当にそうなのか?

当然努力しない者は無理だろう?

努力した者はすべてやり直せるのか?

誰でも這い上がることが出来るのか?

 

人生は一人ではない

助けてくれる者もいれば

邪魔してくる者もいる

だから

簡単にはやり直せるとは言えない

 

転ばないように

落ちないように

慎重に生きている

それが面白味のない人生だと

一度しかない人生が勿体ないと

言われたとしても

わたしは失敗することを許されない

 

知らない誰かが

言っていた無責任な言葉を

信じる訳にいかない

 

手放す訳にはいかない

今の幸せを

 

もう

わたしだけの人生ではないのだから

 

 

 

 

『はじまり』

はじまり

 

あなたが愛している

と言ってくれたわたしは

 

本当のわたしではなくて

あなたの好きなわたしを演じている

 

でも

そうしているのは

あなたが好きだから

 

あなたもわたしの好きな

あなたを演じているのかしら

 

お互いが演じるのをやめたとき

チャペルの鐘の音が聞こえる

 

 

『浮き輪』

浮き輪

 

僕は泳ぐのが下手だ

 

たまに息つぎをするのを

忘れてしまう

 

僕は泳ぐのが下手だ

 

たまに泳ぎ方を

忘れてしまう

 

あれ

どうだったかな

 

そう考えている間に

深く深く

暗い底へ沈んでいく

 

でも今は

君という浮き輪に

助けられている

 

いつか僕も

君の浮き輪になれるように

強くなろうと思う