変わりゆくもの

『変わりゆくもの』

 

季節は変わりゆくもの

色鮮やかな色彩から

何ものにも染まっていない

純白のドレスに着替える

 

人の心も変わりゆくもの

燃え上がるような愛から

業火に身を焼かれ

漆黒のドレスを纏う

 

同じ移ろいやすいもの

一方は美しさを

一方は残酷さを

そして

どちらも儚い

 

同じ変わりゆくもの

しかし

違う感情が

生まれるこの世界は

人というものは

とても面白い

だから

大好きだ

 

 

『リセット』

リセット

 

人生はやり直せる

誰かが誰かに言ってた

 

本当にそうなのか?

当然努力しない者は無理だろう?

努力した者はすべてやり直せるのか?

誰でも這い上がることが出来るのか?

 

人生は一人ではない

助けてくれる者もいれば

邪魔してくる者もいる

だから

簡単にはやり直せるとは言えない

 

転ばないように

落ちないように

慎重に生きている

それが面白味のない人生だと

一度しかない人生が勿体ないと

言われたとしても

わたしは失敗することを許されない

 

知らない誰かが

言っていた無責任な言葉を

信じる訳にいかない

 

手放す訳にはいかない

今の幸せを

 

もう

わたしだけの人生ではないのだから

 

 

 

 

『はじまり』

はじまり

 

あなたが愛している

と言ってくれたわたしは

 

本当のわたしではなくて

あなたの好きなわたしを演じている

 

でも

そうしているのは

あなたが好きだから

 

あなたもわたしの好きな

あなたを演じているのかしら

 

お互いが演じるのをやめたとき

チャペルの鐘の音が聞こえる

 

 

『浮き輪』

浮き輪

 

僕は泳ぐのが下手だ

 

たまに息つぎをするのを

忘れてしまう

 

僕は泳ぐのが下手だ

 

たまに泳ぎ方を

忘れてしまう

 

あれ

どうだったかな

 

そう考えている間に

深く深く

暗い底へ沈んでいく

 

でも今は

君という浮き輪に

助けられている

 

いつか僕も

君の浮き輪になれるように

強くなろうと思う

 

 

『僕は君で作られている』

僕は君で作られている

 

君がいるだけで

僕にとって

この世界は価値あるものになる

 

君がいないだけで

僕にとって

この世界は無価値なものになる

 

ただ

それだけ

 

そう

君がいるかいないかだけ

 

それほどまでに

君の存在は大きい

 

僕を形成するもの

それは君という存在

 

だから

いつまでも一緒に

 

 

『思い出の写真』

思い出の写真

 

写真に残る

愛する人のかたち

 

笑顔で写る

君のかたちは美しい

 

そう感じるのは

すべてに思い出が詰まっているから

 

思い出のない写真は

ただのかたちあるものが

写っているだけに過ぎない

 

だから

君を好きって

気持ちと一緒に持っておく

 

僕の大切な宝物

 

 

『心のお皿』

心のお皿

 

 

心の中にあるお皿に

たくさんの料理が

盛り付けられる

 

美味しそうなもの

不味そうなもの

色鮮やかなもの

どす黒いもの

 

すべてが一皿に盛り付けられる

 

美味しいのか

不味いのか

綺麗なのか

醜いのか

 

何も分からない

 

だから

今日も生きている

 

自分を見つめながら

 

自分は何者なのかを考えながら