詩『主役でもあり観客でもある』
主役でもあり観客でもある
どんな人生だとしても
その人生の主役は自分である
いい事も悪い事も起こる
一番スポットライトを浴びて
輝いているのは自分だ
例えそれが
悲劇のヒーローやヒロインだとしても
人生にはどうにもならないことがある
でも
自分が主役を辞めるまでは続く
あなたは主役なんだ
観客がいる限り舞台を続けよう
そして
あなたは観客でもあるのだから
誰かの舞台を見届けよう
そう
あなたは一人じゃない
物語『復讐』
復讐
わたしの父はヒーローだ
人々を虐殺する悪魔から
世界の秩序を守り
世界を混沌から救う
そして
わたしの父は死んだ
幼い子供を守るために
幼い子供の生命は守られた
しかし
近くにいた女性は死んだ
その女性は同級生の母だった
『あんたの親父が弱いから母は死んだんだ。』
『わたしの悲しみが、あんたに分かる?』
わたしは責められた
『ごめん。』
そして
わたしは暗く深い水の底へ落ちる
心で叫ぶ
『わたしの父も死んだんだよ。』
役割を与えられた者は
それをやるのが当たり前
出来なければ責められる
何も役割を
与えられなかった人間に
だから
わたしは役割を変える
わたしの大切な人だけを守る
そして
わたしたち以外の
人類は滅びるだろう
だけど
それがわたしの
一番の幸せ
詩『失いたくないもの』
失いたくないもの
この世から
欲望という
負の感情が無くなれば
この世界は平和になるだろう
しかし
負の感情が無くなれば
人は
人でなくなるような気がする
何も欲しがることがないのなら
喜びや楽しみを
得ようともしないし
得ることもできない
だから
理性と欲望の
狭間で生きていくしかない
機械ではなく
人として
詩『ゴールデンウィーク』
ゴールデンウィーク
もう二度と戻らない
一生で一度だけの今
残したい
たくさんの記憶や思い出
だけど
それは叶うことのない夢
ただただ
過ぎ去るのを
消え去るのを待つだけの日々
しかし
それは無駄にはならない
いつかは驚異が消え去り
みんなが顔を隠すことなく
笑顔でいられるような
世界がきっとくる
だから
その日までは・・・