無垢は正義なのか

『無垢は正義なのか』

 

いつからだろう

善意を疑うようになったのは

 

いつからだろう

悪意を人へ向けるようになったのは

 

あの日

生まれたばかりの僕にはなかった筈だ

 

いつからだろう

 

初めて感情というものが溢れた時

この世界が楽しいと思い

この世界が怖いと思った

そして

自己防衛のために

疑心や悪意を身につけた

無垢なまま生きるのは難しい

だけど

何も感情がないまま生きるのは

面白味がない

だから

悪いことばかりではない

 

疑心や悪意に

飲み込まれさえしなければ