物語『復讐』

復讐

 

わたしの父はヒーローだ

人々を虐殺する悪魔から

世界の秩序を守り

世界を混沌から救う

 

そして

わたしの父は死んだ

幼い子供を守るために

幼い子供の生命は守られた

 

しかし

近くにいた女性は死んだ

その女性は同級生の母だった

『あんたの親父が弱いから母は死んだんだ。』

『わたしの悲しみが、あんたに分かる?』

わたしは責められた

 

『ごめん。』

そして

わたしは暗く深い水の底へ落ちる

心で叫ぶ

『わたしの父も死んだんだよ。』

 

役割を与えられた者は

それをやるのが当たり前

出来なければ責められる

何も役割を

与えられなかった人間に

 

だから

わたしは役割を変える

わたしの大切な人だけを守る

 

そして

わたしたち以外の

人類は滅びるだろう

 

だけど

それがわたしの

一番の幸せ