日課の詩『遠き思い出』

遠き思い出

 

冷たく感覚が無くなった手

あなたの頬に指先で触れる

わたしの手と同じ温度

どちらも感覚が無いほどに冷たい

だけど

暖かく感じる

いや

温もりを覚えている

もうその頬は笑みを浮かべることはない

けれど

あの優しい微笑みは覚えている

冬がくると思い出す

あなたとの遠い日の記憶

 

書いてみて

冬がくると思い出す。

もう会うことも見ることも触ることもできない。

優しい祖母の思い出を胸に今年も冬の訪れを待つ。